☆第1位
V.A. / The Sound Of Geri Reig - The Original Tapes 1979 (LP)
じつはドイツからこれが届くのを待っていたから、このトップ10を年末に発表できなかったんだよ。企画/監修はベイビー・レコーズのロゴマークも描いてくれたモーリッツ・ライヒェルトさん。デア・プラン結成前夜の1979年、大西洋をへだてた旅先の合衆国カリフォルニアで、すてきな出逢いがあったとさ。D.I.Y.な気持ちでつながったデュッセルドルフの3人とサン・ホセの(紅一点含む)3人それぞれが、地元で録音した初期音源を1枚のアナログLPに詰め込んだ、いっぷう変わった企画盤なのだ。デア・プランと名がちぢまる前のヴェルトアウフシュタンツプラン(世界蜂起計画)の音源も聴けちゃうんだなこれが! さらにザ・プリヒストリック・ニュー・ウェイヴ・シンガーズ/デア・スウィンガーシュニッツエルを名乗るサン・ホセ組のチャーミングなポップ感覚にぶったまげちゃった。ビーレフェルトのレーベル、ケルンクラッハの最高傑作だ。
☆第2位
勝新太郎 / 勝新歌大箱~歌いまくりまくりまくる勝新太郎 (11CD+1DVD box)
4枚ほど持っていたダブりのCDはディスクユニオンに売り払い、思いきって手に入れた豪華かつ高価な大箱だ。勝新の歌なんていったら、「さぞ豪快で大船に乗った気分になるんだろう」なんて思うひともいるかもしれない。ところがじっさいは、広大な宇宙にぼつんとひとり浮かんでいる……そんな孤独感、無常観をひしひしと覚えちゃう(若旦那風情な初期音源は除く)。他ではまず味わえない感覚なわけさ。本歴を模した装丁のブックレット内で湯村さんが描く勝新、最高。
☆第3位
CODEINE / When I See The Sun (6LP+3CD box)
ソウル系の強烈な7吋箱だとかペイパーバックつき仕様のLPなんかも出したし、ヌメロ・グループはますます鬼渋い独自路線を貫いた。とうぜん網羅するおさいふの余裕などあるはずなし。どっこい、モグワイに請われてなんと再結成ライヴを行なったコーディーン(日本式読みだとコデイン)の必殺箱の魅力には抗えず。すっかり殻に閉じこもっているこの秋~冬の心のトーンに、これほどしっくり同調する音もなかなかないってもんです。
ここからはアルファベット順だよ。
THE BURRELL BROTHERS / The Nu Groove Years Part 1 (2LP)

LAURIE HOLLOWAY / Cumulus (CD)
UKU KUUT / Vision Of Estonia (LP)
CECIL LLOYD / A Night In Jamaica (LP)

BRENDA RAY / D'Ya Hear Me! (LP)

V.A. / Ata Tak - The Collection Box 3 (5CD+bonus CD)

V.A. / Korearic Vinyl RIP 2 (CD-R)
出た、ベーコン! 幻の名盤解放同盟のナウいヤング版というかなんというか、あくなき探求をつづける彼らの旅日記を読んでみてくださいよ。こういう熱に浮かされハマっちゃっている状態には、ひさしくなっていないなあ、オレの場合。もちろんベーコン直売初回限定の3枚セットで入手。
★惜しくも選から漏れた次点の2作だよ。
LOUISA "MARKSWOMAN" MARK / Breakout (2LP)
オリジナル盤探しにまで手が回らないレゲエ門外漢にとって、再発盤はうれしい味方。ソウル・ジャズ・レコーズ傘下のユニヴァーサル・サウンドが、英国ラヴァーズロックの名盤にシングル・オンリーのDJカットを3曲追加収録の2枚組を出してくれた。初めて知った歌手だけど、はつらつとしたこまっしゃくれ声のひっかかりぐあいがいい。ピーチズ&ハーブ「恋の仲直り」カヴァーを始め、曲も粒ぞろい。年末年始のBGMとして大活躍。
SIGUE SIGUE SPUTNIK / FLAUNT IT (CD in the miniature of 1986 limited edition box)
ついに英国オリジナルLP初回限定だった超合金箱仕様が、ミニチュア版パッケージでCD再発なる! ブックレットは通常サイズに縮めたのみで完全な再現とはいえないが、あんまりちっちゃくしたら読めないし、無難かつ最良の選択だろう。内容はいうまでもなく最高。テテッテテッテッ、テンポ。