2013年1月11日金曜日

BABY RECORDS' 2012 FAVES TOP 10 - Reissues and Unreleased

 ほいきた、もういっちょ。お気に入り盤パート1パート2映画につづいては、2012年のお気に入り“再発盤&発掘音源盤”トップ10。年明け11日めでようやく去年を締めくくれたよ……。お気軽にひやかしていって頂戴な。


☆第1位
V.A. / The Sound Of Geri Reig - The Original Tapes 1979 (LP)


 じつはドイツからこれが届くのを待っていたから、このトップ10を年末に発表できなかったんだよ。企画/監修はベイビー・レコーズのロゴマークも描いてくれたモーリッツ・ライヒェルトさん。デア・プラン結成前夜の1979年、大西洋をへだてた旅先の合衆国カリフォルニアで、すてきな出逢いがあったとさ。D.I.Y.な気持ちでつながったデュッセルドルフの3人とサン・ホセの(紅一点含む)3人それぞれが、地元で録音した初期音源を1枚のアナログLPに詰め込んだ、いっぷう変わった企画盤なのだ。デア・プランと名がちぢまる前のヴェルトアウフシュタンツプラン(世界蜂起計画)の音源も聴けちゃうんだなこれが! さらにザ・プリヒストリック・ニュー・ウェイヴ・シンガーズ/デア・スウィンガーシュニッツエルを名乗るサン・ホセ組のチャーミングなポップ感覚にぶったまげちゃった。ビーレフェルトのレーベル、ケルンクラッハの最高傑作だ。




☆第2位
勝新太郎 / 勝新歌大箱~歌いまくりまくりまくる勝新太郎 (11CD+1DVD box)


 4枚ほど持っていたダブりのCDはディスクユニオンに売り払い、思いきって手に入れた豪華かつ高価な大箱だ。勝新の歌なんていったら、「さぞ豪快で大船に乗った気分になるんだろう」なんて思うひともいるかもしれない。ところがじっさいは、広大な宇宙にぼつんとひとり浮かんでいる……そんな孤独感、無常観をひしひしと覚えちゃう(若旦那風情な初期音源は除く)。他ではまず味わえない感覚なわけさ。本歴を模した装丁のブックレット内で湯村さんが描く勝新、最高。




☆第3位
CODEINE / When I See The Sun (6LP+3CD box)


  ソウル系の強烈な7吋箱だとかペイパーバックつき仕様のLPなんかも出したし、ヌメロ・グループはますます鬼渋い独自路線を貫いた。とうぜん網羅するおさいふの余裕などあるはずなし。どっこい、モグワイに請われてなんと再結成ライヴを行なったコーディーン(日本式読みだとコデイン)の必殺箱の魅力には抗えず。すっかり殻に閉じこもっているこの秋~冬の心のトーンに、これほどしっくり同調する音もなかなかないってもんです。




 ここからはアルファベット順だよ。

THE BURRELL BROTHERS / The Nu Groove Years Part 1 (2LP)

 アフロディジアック名義の1991年12インチ曲 'Just Before The Dawn' なんかは、出た当時に買って「洒落ているなあ」なんて愛聴したものさ。でもどんな連中が作っているかまではチェックしておらず、このコンピレイションでバレル兄弟のことを認識し、21年越しで正体をつかんだしだい。ハウス皿の知識は断片的にしか頭に入っていないから、こういうすぐれた編集盤でまとめて聴けるのはありがたいよ。




LAURIE HOLLOWAY / Cumulus (CD)

 まだ改装中だったタワーレコード渋谷店のジャズ売り場の試聴機で耳にして即レジに向かった、イギリス人ピアノ奏者の1979年盤。甘美ながらもさみしげなエレクトリック・ピアノの揺れにまかせて眠りにつくのが、秋の夜長の定番パターンだった。再発したプロダクション・デシネは、神戸のレコード屋さんがやっているレーベルのようだよ。



UKU KUUT / Vision Of Estonia (LP)

 ローカル産の珍しブギー発掘隊ピープルズ・ポテンシャル・アンリミテッド、略してPPUも、いまやバルト海にまで手を広げ、エストニアの無名サウンド・プロデューサーに光を当てちゃった。すっかり定着したブギーファンクな質感そのものな1985年どマイナー秘宝なり。





CECIL LLOYD / A Night In Jamaica (LP)

 ジャケ写真だけでたまんない気持ちになっちゃうもんなあ。幼いころに家族旅行でいった、伊豆初島のいまはなきバケーションランド感というかさ。エキゾでラテンでカリプソなジャマイカ産観光地音楽の隠れ名盤でしょ。毎年夏の夜にかかせない1枚になったね。攻めの再発でイカした珍し盤を紹介してくれる新宿ダブ・ストアのすばらしき仕事。




BRENDA RAY / D'Ya Hear Me! (LP)

 大阪エムレコードの江村さんも、あいかわらずの独自路線をつっ走る。ブレンダ・レイが、そのむかしジャケ買い&愛聴した12インチ名曲 'Catch A Falling Star' のブレンダ&ザ・ビーチ・ボールズのブレンダと知り、清涼感のある洒落ポップ・センスに納得。チェリー・レッド&ラフ・トレイドな80年代耳をこちょこちょっとくすぐってくれる、鬼凄初期音源集だ。




V.A. / Ata Tak - The Collection Box 3 (5CD+bonus CD)

 2011年お気に入り盤トップ30にも第1集と第2集を選んだ、スエザン・スタジオ謹製アタ・タック紙ジャケ箱第3集。シリーズ中でもとりわけポップ色のつよい名盤がそろった、またしても究極のコレクションなのさ。ロスト・グリンゴス "Endstation Eldorado" とディー・ツィマーメナー "Goethe" という、思い入れぶか〜い2枚のライナーも書かせてもらい、またまた光栄の至り。4つめの箱も近日出ちゃうわけなのだ。




V.A. / Korearic Vinyl RIP 2 (CD-R)

 出た、ベーコン! 幻の名盤解放同盟のナウいヤング版というかなんというか、あくなき探求をつづける彼らの旅日記を読んでみてくださいよ。こういう熱に浮かされハマっちゃっている状態には、ひさしくなっていないなあ、オレの場合。もちろんベーコン直売初回限定の3枚セットで入手。





★惜しくも選から漏れた次点の2作だよ。

LOUISA "MARKSWOMAN" MARK / Breakout (2LP)

 オリジナル盤探しにまで手が回らないレゲエ門外漢にとって、再発盤はうれしい味方。ソウル・ジャズ・レコーズ傘下のユニヴァーサル・サウンドが、英国ラヴァーズロックの名盤にシングル・オンリーのDJカットを3曲追加収録の2枚組を出してくれた。初めて知った歌手だけど、はつらつとしたこまっしゃくれ声のひっかかりぐあいがいい。ピーチズ&ハーブ「恋の仲直り」カヴァーを始め、曲も粒ぞろい。年末年始のBGMとして大活躍。




SIGUE SIGUE SPUTNIK / FLAUNT IT (CD in the miniature of 1986 limited edition box)

 ついに英国オリジナルLP初回限定だった超合金箱仕様が、ミニチュア版パッケージでCD再発なる! ブックレットは通常サイズに縮めたのみで完全な再現とはいえないが、あんまりちっちゃくしたら読めないし、無難かつ最良の選択だろう。内容はいうまでもなく最高。テテッテテッテッ、テンポ。